管理職になりたいと考えるSEはしばしばいるが、自分に適性があるかどうかを確認した上で目指した方が良い。あまり適性がないのに管理職になろうとしても困難になりがちであり、仮になれたとしても業務が自分に合わずに悩むことになりやすいからである。
適性の有無を判断する方法として、現場で働き続けたいかという問いかけをまずはしてみると良い。自分の手でシステムを開発するのが好みならSEとしてできる限り長く現場で働けるようにした方が良いだろう。管理職になると開発の実務は他の人材に任せることになり、基本的にはその人材を動かす立場になるからである。
そして、次に考えると良いのが人材を動かすのに興味があるかどうかであり、開発を進めるのに自分の手を動かすよりも人に指示を与えていく方が好ましいと思うなら、管理職を将来のキャリアとして考えてみると良いだろう。
その際に重要なのが全体を俯瞰することができるからであり、現場で働いていていつも全体像を把握できているかを自問自答してみる必要がある。もし全体を理解せずに仕事をしているのであれば管理職には向かないかもしれない。しかし、単純に全体を意識していなかったというだけの場合もあるので、試しに現場の全体像を把握できるか試してみるのも良い。
そして、もう一つ重要なのが人材の長所を見極める能力があるかであり、それができなければ人を適切に動かすことはできない。同僚の能力を客観的に説明し、どの仕事が向いているかを適切に説明できるのなら管理職に向いている可能性が高い。
このように、管理職の仕事を将来のキャリアの1つとして検討することは、今後進むべき道を見据えた目標を立てる意味でも必要だと言えるだろう。